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地球の鼓動が聞こえる国・アイスランドで見つけた幸せのヒント 〜③暮らし〜


世界一幸せな国と呼ばれるのはなぜ?旅の記録とともに秘境アイスランドの魅力を3記事に渡りご紹介します。

アイスランドの過酷な環境

私たちが訪れた8月は白夜に近い状態でした。夜中にほんの数時間だけ薄暗くなって完全に日が沈むことはありません。外が明るいので夜中まで出歩けるのはいいのですが、いつ寝たらいいか分からなくなり体内時計が狂ってしまいそうでした。逆に冬の間は日が昇らないので、太陽が少し顔を出したかと思うとまた夕方のようになり暗くなってしまいます。よく、冬季うつと言われますが、北欧などの日照時間の短い国に多いと言われています。このアイスランドの気候は農業にもあまり適しておらず、溶岩の土では作物を育てることも難しいため野菜のほとんどは輸入に頼っています。他にも、2008年の金融危機からの不安定な経済、いつ起こるかわからない地震や噴火の危険…。
このような厳しい環境の中でも、アイスランドの人々が幸せでいられるのはなぜでしょうか?

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アートと音楽の街・首都レイキャビク

アイスランド人は皆がアーティストといっても過言ではありません。ミュージシャン・画家・作家・俳優など、芸術に携わっている人が多く、とにかく創造することが大好きな国民。Bjork、Sigur Ros、mumなどの世界的なアーティストも数多く輩出しています。趣味で合唱団・オーケストラに所属したり、バンドを結成しインディーズで音楽活動をしている人もたくさんいます。アイスランドのミュージシャンの9割以上がアマチュアとも言われていて、皆それぞれ自分の仕事を持ちながら活動しています。私がレイキャビクを訪れた時も、街のシンボル的な教会であるハットルグリムスで演劇とコンサートが行われていました。街にはライブイベントのチラシがたくさん貼ってあり、バーやカフェでも無料ライブが楽しめます。音楽はアイスランドの人々にとって生活の一部のようなものなのですね。

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レイキャビクの街にはたくさんのギャラリーやショップが並び、町中がカラフルなので歩いているだけでハッピーになれます。
出典先:creatorscommune.com

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ここは遊び心がいっぱい詰まった街。様々な場所でアートを見つけられます。
出典先:theculturemap.com

 

趣味を楽しんでいる

アイスランドでは冬の間は室内で過ごす時間が多くなります。その為、チェス、編み物、読書、ハンドクラフトなどを趣味としている人が多いようです。アイスランド人は世界で最も本を読む国と言われていて、識字率が100%、そして本の自費出版率も世界一なのだそうです。音楽だけでなく、本も自分で執筆してしまうなんて、アイスランド人はクリエイティブで活動的な国民性だと分かります。
また、スポーツではハンドボールやサッカーが人気だそうです。特にハンドボールは冬でも室内で練習ができることから、アイスランドの国民的スポーツと言われ、今では世界の強豪チームの一つでもあります。乗馬・トレッキング・野外プールに入ったりと自然と関わるアクティビティーも人気です。どちらかというと、あまりお金をかけなくても楽しめることが好まれているように思えます。

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出典先:resurrectionfern

 

不便さの中で見つけた幸せ

アイスランドの伝統料理といえば保存食。ヴァイキングの時代、厳しい冬の寒さの中で飢えることなく栄養を補給するために保存食を備蓄していました。今でも塩漬けや燻製にした食品はよく食べられています。
今となっては街にはおしゃれなレストランもあり、食事に困ることはありませんが、私たちのように島を一周するとなると、自然の厳しさを痛感することになります。

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街から街へ移動するにも何もない道を何時間も運転しなければならず、宿泊先以外では簡単には食事にありつけません。
移動中は家から持ってきたレトルト食品を作ったりドライフードを食べたりしていました。ホテルで水筒に熱湯を入れてもらい、途中絶景を眺めながら緑茶を入れてほっと一息。この一杯のお茶の有り難みを感じながら自然に感謝する…。

火山と氷河に囲まれたアイスランドの地で生き残る知恵を獲得してきた先人のたくましさ、そして生きるために共に助け合う・分かち合う精神は現代のアイスランドの人々にも受け継がれているいるのでしょうね。

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アイスランドのスーパーは、アメリカや日本に比べ食材の種類は少なく、輸入品は高いので何を買うべきかよーく考えなければなりません。日本では当たり前のように新鮮な果物や生野菜を手にすることができますが、ここでは限られた食材しかありません。衣類や生活用品も種類が少ないです。アメリカや日本のように世界のブランドショップが並んでいるわけでもありません。少ないモノの中で暮らしていると、自分が何を本当に必要としているのか、何が欲しいのかということがわかってきます。アイスランドの人たちの創造性はそういった不便さに由来しているのかもしれません。

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幸福度No1のアイスランドですが、決してモノに恵まれているとは言えません。ですが、アイスランドの人々は人生の楽しみ方を知っています。心が満たされている幸せ、それは外側にあるモノの質や量に関係ありません。シンプルな生活だからこそ、アイスランドの人たちは自分たちで取捨選択し何が大切なのか分かっています。
「Less is more」「より少ないことがより豊かである」
アイスランドの人々の「心の豊かさ」。それがこの国が教えてくれた幸せの秘訣なのです。

 


堀内 奈未

ヨガインストラクター・Nami ロサンゼルス在住中にヨガ教室「sunya/シューニャ」を設立、現在は愛知を拠点に活動中。 ヨガの魅力を伝えながら、自らも心が豊かになるヨガ的シンプルライフを実践している。