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「センス・オブ・ワンダー」(レイチェル・カーソン)によせて


「センス・オブ・ワンダー」(レイチェル・カーソン)によせて

地球の美しさに思いを巡らすことを

 レイチェル・カーソンと「センス・オブ・ワンダー」
日本では「沈黙の春」という環境汚染の告発をした作品で有名なレイチェル・カーソン。彼女は素晴らしい海洋生物学者であり、地球の素晴らしさは、いのちの輝きにあると、信じていた人でもありました。
自然との共存への希望は幼い子供たちの感性にこそある、と期待したカーソンの最後の作品がこの「センス・オブ・ワンダー」。すべてのひとが本来持っている美しいものや・未知のものに目を見張る感性をはぐくむヒントが織り込まれた美しい本です。

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「知る」ことは、「感じること」の半分も重要ではない
センス・オブ・ワンダーとは、「神秘さや不思議さに目を見張る感性」のこと。世界と少しずつ出会っていくちいさな子供たちの毎日はいつも、新鮮な驚きに満ちています。子育て中は、そんな、素晴らしい感性とともに自然を感じることのできる素晴らしい時間。どうか、「知る」ことではなく「感じること」に集中してみてください。美しいものを美しいと感じ、一緒に驚き、感激することのできる大人が近くにいることが子どもたちの育ちにもとても大切なことなのです。

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「子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。残念なことに、わたしたちの多くは大人になるまえに澄みきった洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直感をにぶらせ、あるときはまったく失ってしまいます。

もしもわたしが、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見はる感性」を授けてほしいとたのむでしょう。(中略)私は、子どもにとっても、どのようにして子どもを教育すべきか頭をなやませている親にとっても、「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。子どもたちが出会う、事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生み出す種子だとしたら、さまざまな情緒や豊かな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。」  (レイチェル・カーソン「センス・オブ・ワンダー」 p23~24)

小さな空間で、おもちゃ遊びをしている時のこどもと、自然の中で自由に遊んでいるときの子どもをよく見ていると、体が違うことがよくわかります。子どもたちは素直に環境に順応するから、どこでも楽しく遊んでいるけれど。でも、体の伸びやかさがぜんぜん違っているのです。

思う存分泥んこ遊びをしているときや、森の中でドングリひろいをしているときは体中が躍動しているように見えるから不思議です。頬をなでる風や、柔らかな泥の感触や。きっと五感いっぱいで世界を感じて、世界に出会っているから、なのだと思います。

子どもたちには、世界や自然の美しさに思いをめぐらす経験をたくさん、たくさんさせてあげたいですね。

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地球からの美しい贈り物
「地球の美しさについて深く思いをめぐらせる人は、生命の終わりの瞬間まで、生き生きとした精神力を保ち続けることができるでしょう。鳥の渡り、潮の満ち干、春を待つ固い蕾のなかには、それ自体の美しさと同時に、象徴的な美と神秘がかくされています。自然が繰り返すリフレイン―――夜の次に朝が来て、冬が来れば春になるという確かさ―――のなかには、かぎりなく私たちをいやしてくれる何かがあるのです」。
(レイチェル・カーソン「センス・オブ・ワンダー」 p50)

私は、子どもが生まれる前から森が好きでよく一人でも森歩きをしていました。森の中にはいろいろないのちが、ありのままにのびのびと暮らしていて、そのいのちの環の中に入るとなんというか、自分自身もリミットがないように感じられて。「ああ、このままでいいんだなぁ」と、体のすみずみがリセットされて元気になって魂が回復するから。
毎日を生きていると、なんだか疲れてしまったり、がっかりしたり。時には何もかも嫌になってしまうことだって。でも、自分から少し目を外に向けて。自然の流れに目を向けると、そこには変わらない季節のめぐりや美しい風景があったりして、ふと心和むときがあります。
人はたぶん、季節のめぐりで自分の気持ちにも区切りをつけて、いつか見た風景に励まされたり、元気をもらったりするのだと思うのです。だから、たくさんの美しい風景や自然体験を子ども時代に自分の内に持っている人は、自分の勇気や元気になるものをたくさん持っていることになる、そんな風にも思います。

たくさんの美しい瞬間が、毎日地球から私たちに贈られていることを感じて。その一瞬一瞬にもっとセンス・オブ・ワンダーをひらく大人たちが増えたら。
私たちの社会は、きっともっともっと美しいものになる。そう思います。

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朝いちばんの陽の光や、冬のきりっとした冷たい風。まずは身近な自然にこころと身体を開いて、深呼吸を。
週末は、近くの森に子どもたちと出かけてみませんか?
「ああ、でも私はなかなか外には出かけられない」、という方も心配しなくて大丈夫。そんな方は、お花屋さんで季節のお花を買って、おうちの中に生けてみては。
家の中に花があると空間も華やぐし、子どもたちはそんな小さな自然にも目をむけて、感じてくれると思いますよ。無理に、ではなくて。あなた自身も楽しく季節や自然を感じられることからで、大丈夫。まずは、感じて。そして楽しんでくださいね。

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水野 佳

ヨガとくらしのサロン LINGKARANG(リンカラン)主催 水野 佳 自然や季節を感じる暮らしを提案。親子で自然にふれる「森の親子ピクニック」や、味噌や醤油の仕込みWS、お寺でのヨガクラスなどをのんびり開催中。わんぱく2歳児の母。