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忙しい人のための生活に活かすヨガ哲学 Vol.3「慈悲の心・アヒンサー」


人間関係を良くするヒント!マハトマガンジーが実践した”アヒンサー”について学ぶ

忙しい時ほど気をつけたい人間関係

何かに追われて心に余裕がない時、家族や友達についキツイ言葉を発したり、攻撃的になってしまったことはありませんか?職場で人の話を適当に聞いてしまったり、もしくは逆にイライラしている上司や同僚に話しかけづらいと思ったことは?
私も経験がありますが忙しい時ほど、人間関係をこじらせやすいのではないかと思います。そんな人間関係でお困りのあなたにご紹介したいのが、ヨガの教え「アヒンサー(アヒムサ・非暴力)」です。

アヒンサーは、八支則(ヨガを進める8つのステップ)の第一段階である「ヤマ(禁戒)・すべきでないこと」の項目の一つ目に書かれています。また、アヒンサーはガンジーが生涯をかけて実践と普及に力を尽くした大切な概念だとも言われています。
「非暴力」と聞くと肉体的な非暴力を最初に思い浮かべるかもしれませんが、心にも暴力を侵してはならないという意味が込められています。
”ヒンサー”は“苦痛を引き起こすこと”、”ア”は”~ない”という否定の意味があり、つまりは「苦痛を引き起こさない」ことなのです。

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出典先::Buzz Feed

 

アヒンサー(非暴力)と調和

じゃあ、「人にやさしく」ってこと?そんな当たり前のことを言われても!と思われる方もいるかもしれません。ですが、アヒンサーは単に「やさしさ」を与えるだけでなく、もっと大きな意味で相手や自分自身と「調和」していくことなのです。

調和とは、相手に合わせたりその場の空気に溶け込もうとする「目先の調和」のことではありません。
実は私は以前、「調和」の意味を履き違えていました。周りに合わせることが良い人間関係を気付くことだと勘違いし、自分の素直な思いを表現すること自体が悪いことだと思っていたのです。自分の感情を押し殺し我慢することで人間関係の問題はなくなる。この考えは、自分自身に対する「暴力」でした。
相手と調和するために良かれと思い行動したことが、逆に自分の心の調和を乱してしまいました。その結果、私は人付き合いが苦痛になり、自分の本心が分からなくなってしまったのです。

強い自己主張で全て思い通りにしようとすることは周りを攻撃することになりますが、自分に嘘をつき続けることも自分自信を攻撃することになり、どちらも「アヒンサー・非暴力」に反しています。時には周りの人たちに合わせることも必要ですが、自分の意思を伝えることが結果的に相手のためになり「調和」に繋がることもあります。
大切なのは受け入れることと与えること、そのバランスなのです。

出典先::mindbodygreen

 

人間関係のハーモニー

ところで、「調和」は英語では「ハーモニー」。一般に音楽ではメロディーと伴奏が上手に調和して素晴らしいハーモニーを作り上げます。どちらも独立したものだけれど、その音の重なりによって美しい響きができあがる。この、二つ以上の音の重なりを「和音」と言うのはご存知ですよね。字の如く「和む音」。

この音の組み合わせに調和が取れていない時、その響きが不快に聞こえることがあります。この時に生じるのが「不協和音」です。不協和音とは、和音の響きに調和がなく「不安定を感じる音」を意味します。それ自体は音楽として間違いではないのですが、不協和音を多く使った曲は、悲しみ・恐怖・不安などといった印象を与えます。

これって、人間関係でも同じだと思うんです。うまく調和ができていない時には人と人との間でも「不協和音」が生じる。だから、誰かとうまくいかない時に違和感や緊張感を感じるのではないでしょうか。

違う楽器、たくさんの音の響きが重なって一つの音楽を奏でるように、家族やコミュニティー、もっと大きな組織の場合でも、一人一人違う個性の組み合わせで美しいハーモニーを作っていく。リズムを合わせたり、時には相手を引き立て、お互い支え合い、個々の良さを更に引き出していくことで「和む音」に変わっていきます。それが「アヒンサー」から生まれる人間関係のハーモニーです。

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出典先::Project Inspired

 

慈悲の心を育てていく

アヒンサーの実践のポイントは慈悲・思いやりの心。慈悲とは頭で考えるものではなく「こころ」で感じるもの。
忙しく心に余裕がない時ほど、慈悲を持って接することを忘れがちです。慈悲の心のためには、「理解」が必要です。自分や周りの人の「こころ」に気付いてあげるよう心がけてみましょう。そうすれば慈悲は自然と湧いてくるものなのです。
自分の中にある矛盾や争う心に気付くこと。相手を敬い、その人の真の幸せを願うこと。
相手と自分との間の境界線を消して、自分のことのように感じられたら、自ずと必要な言葉や行動が伴うはずです。

アヒンサーの実践が、自分自身、そして他の人たちの苦しみを和らげ、幸せに導いてくれることを願っています。


堀内 奈未

ヨガインストラクター・Nami ロサンゼルス在住中にヨガ教室「sunya/シューニャ」を設立、現在は愛知を拠点に活動中。 ヨガの魅力を伝えながら、自らも心が豊かになるヨガ的シンプルライフを実践している。